2011年 03月 29日
アートが なにかを たずねる12 |
画像は、東広島市美術館開館当時の写真。現在は2階が増築され、もう少し背が高くなっています。
今日は、寄贈者の大久保博氏の知人宅を訪問。人物像を語る方にようやく会うことができました。博氏は、"光風会"と"いしがき会"という絵画を中心とするグループに所属しておられました。そのグループを通して少し話したことがあるとのことでした。すでに、30年以上前のことなので、こうした、小さな情報さえも貴重な証言になります。
他に、開館当時のことをよく知っていて、博氏のこともよく知っている最重要人物へ、取材のお願いの電話をしました。。。が、断わられてしまいました。頑なに拒否されてしまい、お会いすることもできそうにありません。電話では、少し当時のことを聞かせてもらうことができましたが、知らない情報ばかりで、この方の取材抜きに、作品が完成することはなさそうな気配。お会いするチャンスをもらうことができれば、土下座でもなんでもして、チャレンジできるんですが、かなり難しそうです。
このように、自分でコントロールできない部分をどのようにスムーズに解決できるかが、この後の課題になりそうです。このドキュメンタリー映像の最初の発表は、4月の三号倉庫でのグループ展を予定しています。しかし、展示後も、追加の情報や、快く取材に応じて下さる方が現れれば、その都度、更新していきます。たくさんのインタビューと情報を得ましたが、それでも、30年、40年も前の故人を追うということは、雲を掴むような話です。ですから、その都度映像は更新していきますので、"終わりがない"。"完成がない"。というような活動になっています。この活動は、今は東広島市美術館を対象にドキュメンタリーを造っていますが、仮にこのドキュメンタリーが完成したとしても、もうしばらく続く予定です。
アーティストでもなく、コレクターでも、キュレーターでも、批評家でもなく、芸術を支援する方。きっかけが、どういうことであったにしても、利益を得ることなく、ただ芸術の支援をする方を対象に、"芸術って何なのだろう"ということのドキュメンタリーを制作しているつもりです。三号倉庫の"出資者"は、他に"あしながおじさん"、"篤志家"と呼ばれています。今、取材している、大久保氏は、"寄贈者"です。いろいろな呼ばれ方はあると思いますが、この何ともアートの肩書きをつけることが難しい方々を中心に、アートについて考えてみると、僕のような美術に両手両足を突っこんで、身動きが取れないような立場の人間からは、到底思いつかないような、真新しく見える新鮮な、別の"アート"が浮かび上がるのではないかと考えているのです。
by terae-art
| 2011-03-29 20:03
| ┣2011~ 東広島市美